妻がね、昔よく聞いてきたんです。
「なんで私と結婚したの？どんなところが好きなの？」って。
僕はこんな感じで答えていたんですね。
「直感だよ。どんなところが好きとかの後付けはできるけどね」みたいに。
ある時二人でテレビを見ていると、市川海老蔵さんが出ていて質問に答えていました。
「直感と理屈、あなたはどちらで決める？」みたいな問いに対して、海老蔵さんは「直感、その後に理屈」って答えたんです。
思わず妻に、「これだよ、これ！」って興奮して叫んでたんですね。
これだよ。これが言って欲しかったんだよ。
と代弁してくれた海老蔵さんの言葉を二人で笑いながら何度もリフレインしました。
「直感、その後に理屈」
今から６年位前になるでしょうか。なんだか二人して、海老蔵好きになってしまったあの日の夜でした。
時は過ぎ、昨日のことです。
「海老蔵さんって、ほんとに真央さんのことが好きで大切でたまらないって感じで、素敵だな〜って思う」と妻がしみじみと言うので、
「おー、まるで僕を見てるみたいだな〜」ってちょっとおどけるように言うとと、思いもよらない言葉が妻から返ってきたんです。
「うん、わたしも実はそう思った。」
あの妻がです。
いつも不安感の塊だったあの妻がです。
いつも僕の愛をどこかで疑っていたあの妻がです。
夢の中の僕が浮気したって、本気で怒ってきてたあの妻がです。（この時にはめっちゃ説教したけど）
海老蔵さんの愛を僕に重ねてくれるなんてね〜。
僕はすごく嬉しくなったんですよね〜。
安心や信じる心が、彼女の中に少しづつ広がってきてるんだな〜って。
僕の想いはちゃんと伝わってるんだな〜って。
僕の感動をよそに、彼女の感情は次に移っています。
怒りながら言ってます。
「もう、相変わらず話を聞いてない！」と。
これでもかなり聞いてるつもりなんですけどね〜と、僕はあしらいモード。
山地 弘純
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