2014年9月16日
講座No.10 SC援助論10 (精神病理とスピリチュアルケア) 松本行弘先生
これを受けた直後に書いたレポート。
今回の講義は、心の相談活動をしていくにあたって、踏み込むのがとても怖いと感じていた部分だった。
理解がまったくできない人と関わるのは恐怖だ。
人格障害や精神病、神経症の違いさえも僕にはわからなかったからだ。
今回、僕達が踏み込んでいいレベルと、そうでないレベルがわかっただけでもありがたかった。
ただしそのレベルの判断ができるかどうかがポイントであり、より学びを深めていかなければならないと思う。
幼少期の親子の関係というのは大切だと聞いていたが、これほど症状として現れてくるのだとは驚いた。精神病や人格障害はプレエディプス期に問題があり、神経症はエディプス期に問題があるとのこと。
今まさに3才2才0才の三人の子供を育てている最中の僕としては、この子たちが無事に健康に成長してくれればよいがとドキドキする。
もっともっと話を聴いてあげなければと思う自分もいた。
それにしても危ないところだった。どんな病態であれ、徹底的傾聴ならば間違いはないと思いこんでいたからだ。
「あたらずさわらず距離を置いて」「毅然とした態度」なども必要となってくるとは思いもしなかった。
講義後に「パニック障害の方と少し関わっているんですが、人格障害もあるのでしょうか」という僕の問いに、松本先生は「その可能性はあります」と答えられた。
また医者にもかかり薬を使用されていることも伝えると、「医者にかかっておられるなら、どうぞやってください」とおっしゃった。
でもやはり僕自身の不安が先に立つので、今のところはやらないでおこうと思う。
とはいえ、医師との連携が絶対条件だとしても、どうぞやってくださいという言葉に勇気をいただいたことも事実だ。
逆に神経症に対しては、すでに鬱や不登校などの事例に僧侶として関わりつつある。そんな中、理解モデルは目から鱗だった。
「あなたはこうしたいんだけど、こうしたら困るな~という不安があるので、その身を守るためにこうして症状が必要なのですね」
このモデルを知って以来、神経症ではなく健康な人でも、必要以上に言い訳としたり、盛り上がるべきところで冷めていたりなどで場を乱している姿を見ても、傷つくことを防御してるんだろうな~という理解のまなざしで見ることができるようになってきた気がする。
今までならば腹を立てたり、注意警告を与えたくなっていたものだ。視点が変わると世界が変わるということを実感した。
「防衛機制を見るだけでもその人の発達過程が見える」という部分も、とても納得できた。
自分自身の過度の失敗に対する恐れと、失敗した時の理由を作りたがる防衛は、やはり失敗を強く責めやすいという家庭背景が浮かび上がる。 きっと事例を重ねて行けばいくほど、様々な防衛機制からちゃんと情報を読み取れるようになるのだろう。
しっかりとノウハウを学びたいと思う。
防衛。守るということ。
そこをしっかりと学んだ時間だった。
「なぜ?疑問を持ち続けること。」
その先生の言葉を大切に、病理と向き合うスタートとしたい。
山地 弘純
最新記事 by 山地 弘純 (全て見る)
- 兵庫県新温泉町飲食店テイクアウト情報☆ エール飯にご協力を!! - 2020年4月20日
- うちは現在アナ雪ブーム真っ盛り - 2020年2月20日
- 仲間が琴浦町にある「東伯発電所」の壊れた風車の視察をしてきてくれました - 2020年2月19日