2014年7月17日
講座No.6 SC援助論6 『がん患者さんに対するスピリチュアルケア』 奥野芳茂先生
これを受けた直後に書いたレポート。
【1、講義の感想】
僕は奥野先生は癌放置療法を推奨しておられる立場の方かと思っていた。
そうでなく、むしろ逆とも言える立場の先生が、癌放置療法のテキストをテーマに選び、皆で議論するという講義はとても興味深いものだった。
その場になってみないと考えなかったであろう癌という病気に、今向き合えたことはとてもよかったと思う。選択肢を増やすことができたこともありがたかった。
今までの講義の中で一番みんなで話し合ったのは間違いない。
講義を終え、迷いはさらに深まったが、それに反してすがすがしい気分を感じていることも確かだ。
実際の癌患者である6期の受講生の方ともご一緒でき、リアルな空気を感じることができたのも、とても大きなご縁だと思う。
素敵な講義だった。
【 2、討論した内容で自分が感じたこと】
自分が理解した内容癌放置療法の近藤先生も放射線治療をされている奥野先生も、立場は違えど、癌という病気によって人生を振りまわされることないと教えて下さった。
治る人は治る。治らない人は治らない。
治療が効く人は効く。治療が効かない人は効かない。
放置で治る人は治る。
放置で死ぬ人は死ぬ。
癌は高度な医療が受けられるようになった今も死亡率が下がっていない事実。
それならばと、癌を人生の一部と捉える考え方。
「24時間癌患者である必要はないよ」
「自分らしく癌を生きるサポートから、自分らしく人生を生きるサポートに変えたんです」
それらの先生の言葉をお聞きしながら、癌はスピリチュアルを高め、人生を統合していくために必要な出会いと考えられるようになればいいな~と思えてきた。
癌と向き合うということは人生と向き合うということ。
自分自身と向き合うということ。
我々にできるのは、患者さんその人をただ信頼するということ。
これらの言葉はとても響いた。
なるほど。誰しも受け入れる力を持っているのだろうし、それを信じるしかない。
サイマーさんの「21の愛の挑戦」の一文にもとても感動した。
「私たちの感じていること考えていることは全て愛の波動か恐れの波動でできている。自分の中で成長している木が二つあって、一つは愛の木でもう一つは恐れの木。どちらの木に水をあげるのか、決めるのはあなたです。」
「さてあなたはこの一週間、どちらの木に水をあげましたか」
これは本当に考えさせられる言葉だった。
さて、僕はディスカッションの際、「検診を受けるかどうか、治療を受けるかどうか」という問いに対してフルコースで受けるという意見を発表した。
早期発見早期治療という今までの癌に対する認識と、幼い頃からお医者さんのお世話に多々なってきた「お医者さん大好き」な僕とすれば全て治療もお任せになるだろう。
また家族が間違いなく望むであろうから、僕はきっとそう選択するはずだ。
しかし、皆の意見を聞いている間に揺るぐ感情がなかったわけではない。医療に従事している同期生のタマさんやオカダさんの方が、放置療法に傾倒しているところも見逃せないところだ。
とにかく「選択肢」という言葉が何度も飛び交った。
多くの選択肢を聞くことが出来たし、今後ますますそういう機会も増えるはずだ。
意識した途端に情報は自然と集まってくるというが、きっとそうだろう。
僕の意見も考え続けるうちにもしかしたら変わって行くのかもしれない。
また僕と対称的な意見をしていたスミタニさんが、「もし家族が3つのフルコースを受けてでも闘ってほしいと言われたならば受けると思う」と講義の終盤になっておっしゃったのも心に響いた。
みんな様々な関係の中に生き、それに憂慮しながら選択していくのだろう。
人生は自分一人だけのものではない。しっかりと自分の心の声と、家族、周囲の心の声に耳をすませたいと思う。
そして僕は人並み以上に臆病だと思う。
弱い人間だと思う。
そんな僕が癌に侵された時、愛の木に水をやり、恐れをヨソへ追いやるには、どうすればいいだろう。
やっぱり一人じゃ無理な気がする。
そばにいて欲しい。
体をさすってて欲しい。
苦しみを聞いて欲しい。
一緒に泣いて欲しい。
癒しの話をして欲しい。
笑顔で包んで欲しい。
現時点の僕の想像では、一人では不安な木に水をやってしまいそう。。。
スピリチュアルケアを行っていくにあたって、自分自身が恐れをどう和らげることができるのか、より深く学んでいきたいと思う。
山地 弘純
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