若くかわいい20台前半の娘さんたちが、澄み切った声で般若心経を一緒に唱えているのを聞くと、なんだか涙が出そうになる。 最近、ほんとに涙もろくなったもんだな。 僕が20台のころ、彼女たちは小学生で、小豆島子供遍路にお参…
最近はお墓や仏壇をどう伝え、どう維持していくかが大きな問題となっている。今年の都市部の棚行では、多くの家庭で今後の悩みを相談された。 ご先祖様を見ていた夫婦に子どもがなく、今後どうするか親戚兄弟みんなで悩んでいるお宅…
箱を整理していたら数枚の書き置きがでてきました。おじいちゃんがお葬式の時に話された法話がそこには書かれていました。読みながら僕は感動しました。あ~僕が書き記していることと同じじゃないか。同じ真言宗のお坊さんであっても、…
ある男がどうやら死んだらしく、閻魔大王の前で裁きを受けることになった。 しかし閻魔大王は男に言った。 お前はまだ死ぬ予定になっておらんな。どうやら手違いのようだ。もういちど元の世界にもどるがいい。 そうだ。せっかくだ…
よくおばあちゃんについてお寺に来たよな。一緒に小豆島にもお参りしたよな。御本尊様の水晶玉にも触ってお願いしたっけ。 笑顔の素敵な子だった。きっとおばあちゃんのことが大好きな子だった。 びっくりしたよ。ウチの母さんが…
彼を見送りながら、僕はなんともいえない感慨に浸っていた。 なんだか夜回り先生になった気分ででもいたのだろう。 自分自身を勘違いしてしまっていたなと、後になって思った。 その後彼の先生から話を聞いた。 「腕輪念珠をもら…
夜回り先生のお話を聞いた一ヵ月後、彼はやって来た。 心に闇を抱えた一人の少年。 家族みんなで不安ながら受け入れる決意をした冬の日。 停学中の中学3年生の彼を、僕一人で湯村温泉のバス停に迎えに行った。 とっくに着いた特…
あれから、もう6年も経つのか。。。 ハチ、元気にしてるか。。。 僕のこと、覚えてるか。。。 2005年11月29日。 あの日、宝塚の中山寺において、真言宗の青年たちによって行われた研修会。 『魂(スピリチュアル)の…
高砂のおじいちゃんがなくなったのが1年半ほど前のこと。 年の暮れのことだった。 寂しいだろうけど、それでもお元気そうだったおばあちゃん。 昨日の夜まで元気だったのに。 そう息子さんが声をつまらせるほどの急死だった。 …
病と闘う奥さんのお話を聞いたのは一昨年の夏の棚行のことだった。 生きるという意欲は、時として信じられない力を生みだすということを教えられた。 あと数カ月という医師の宣告の期間を越え、一年半以上も命を永らえていたというこ…