幼稚園年長から中学3年まで、長い間習字教室に通ってくれた男の子。
ついにうちの教室を卒業することになった。
10年前、初めて園児を預かることになったときのことを思い出す。
まだ字もほとんど習ってない状態で、ひらがなを覚えてとらうところからのスタートだったね。
正直お断りしようかと思ったんだけど、本人のチャレンジしようというキラキラしたやる気に満ちた目を見ていたら、うまく書けるとかうまく書けないとかいうのは問題ではなかった。
硬筆をマンツーマンに近い形で一生懸命やったよね。
小学校に入り、いつしか他の同級生も習字教室に増えてきて、僕の主観的には伸び悩んでいるというか、早く入ってきたメリットはすぐに吐き出しちゃったような感覚もあった。
それでも本人は別にそんなことは気にしてるそぶりもなく、毎週友達と楽しげにやってきてた。
中学に入ると、他の同級生は全てやめてしまった。
この子もやめるかなと思ってたけど、一人でもやってきて、黙々と書いていた。
いつのまにこんなに無口になったんだろうなって思う。
友達とふざけたり、しゃべったりしてたのにね。
そんな黙々とした中にも、最近行書を書くのが楽しそうだなと感じるようにもなった。
そして、いつのまにこんなにうまくなったんだろう。
ハネの離陸していく感覚や、低空飛行で繋げていく感覚、筆のしなり、転折の丸みに、ハライの包み込み。
それは僕なりの言葉の表現を言ってきたんだけど、しっかりと伝わってたんだな~と感動した。
筆運びはゆっくりだけど、とても滑らかで、淀みない。
残しておきたい気持ちが湧き上がったので、映像に残しておくことにした。
しっかりと渡したものを受け取ってくれてありがとう。
そして、これからはもう僕の伝えた基礎は、壊していってくれたらいいなとも思う。
卒業おめでとう。
#僕の主観だけどね
#本人の思いはどうかな
#それにしても10年はすごいな
#書道もまた生きてるんだっていう一つの表現だね
山地 弘純
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