京都市内に移動しての、心の相談員全体活動二日目(10月5日)には、「知恩寺」と「聖護院」に行きました。
知恩寺は法然上人が開いた浄土宗のお寺で、よく浄土宗総本山の知恩院と間違えられるとのことで、「百万遍知恩寺」もしくは「百万遍さん」と呼ばれ親しまれているそうです。
お寺の方に法話をいただいたのですが、とても驚いたことがあります。
百万遍知恩寺と真言宗とには切っても切れない深い繋がりがあったのです。
鎌倉時代後期、後醍醐天皇治世の時に大きな地震とともに疫病が流行ったそうです。
知恩寺八世の空圓上人は天皇の勅命を受け、宮中の弘法大師御真筆の南無阿弥陀仏と書かれた「利剣名號」の掛け軸を掛けた一室に籠り、七日間ぶっ通しで念仏を唱えたところ、疫病が治まりました。
天皇が何回念仏を唱えたのかと聞いたところ、「百万遍」だと答えたとのこと。
そのことから、「百万遍」という名前と、その弘法大師御真筆である「利剣名號」のお軸、そして五百四十顆の大数珠をいただいたということです。
それ以降、なにかしらの祈願を行う際には必ず「利剣名號」のお軸を掛け、僧俗輪になって大数珠を繰る「百万遍数珠繰り」が全国各地に広まったそうです。
そしてこの日は、法話の後に実際に数珠繰りの体験があり、とてもありがたかったです。
心の相談員のみんなで念仏の声を合わせ、縁を回すかのような数珠回しをただひたすら一心に行うということが、とても心地よくもありました。
数珠の回しは反時計回り、つまり左回りです。
左(火足り)螺旋は気体化のうねりで、宇宙へのオーダー回り。
祈りを空に放ちました。
ちなみに僕も小学校の頃に村の数珠繰りに参加したことがあり、村のみんなと共に「南無阿弥陀仏」の声をあげながら数珠を回したものです。
その幼い頃の記憶が蘇りました。
そのワンシーンは「奥さん、〇〇を炊いたのの味見て〜」ってうちの母に言ってるシーンです。
みなさん一緒に数珠繰りをしてその家の幸せを祈ってもらったお礼に、ご馳走作っておもてなししておられたんだな~と今更ながらに思いました。
さて、弘法大師の書かれた「利剣名號」と浄土宗の念仏が統合されたこの百万遍知恩寺。
なんとも不思議な巡り合わせを知ることができて、感動です。
利剣名號の掛け軸には「南無阿弥陀仏」と書かれていますが、その書体がまるで剣のように鋭利に尖っています。
厄災を断ち切るイメージがこの書体に込められているのですね。
まるでお不動さまです。
それを南無阿弥陀仏で表現したのはなんでなのかな~と思いました。
至るところから空海意識が溢れ出します。
知恩寺に来れてほんとによかったです。
(↓弘法大師の利剣名號の書体を写した石碑)
次に、聖護院にも行きましたが、ここはここで真言密教とは切っても切り離せぬ修験道のお寺。
山川草木全てに仏が宿り、その自然のパワーを自らのものとする密教。
様々な呪術を行うのです。
密教として確立されていなくとも、弘法大師空海より前にそれを行なっていたエキスパートが役行者です。
これまた深いご縁を感じる修験道。
僕も真言宗のもっと妖しい怪しい部分を表現していきたいものだと改めて思いました。
それにしても、今回企画してくれた企画委員のチョイスは本当に最高です。
全て真言宗ではありませんでしたが、全てなにかしらの大きな響きを散りばめてくれています。
とても楽しくて、とても感動で、とても今後の向上心を掻き立てられた研修参拝でした。
南無大師遍照金剛。
感謝。
山地 弘純
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