若くかわいい20台前半の娘さんたちが、澄み切った声で般若心経を一緒に唱えているのを聞くと、なんだか涙が出そうになる。
最近、ほんとに涙もろくなったもんだな。
僕が20台のころ、彼女たちは小学生で、小豆島子供遍路にお参りしてくれた。
その当時の姿を思い浮かべながら僕は読経していた。
僕でさえこれだけ思うことがあるんだ。
きっと17回忌のおじいちゃん、50回忌のひいおじいちゃんの喜びは、相当だろうな。
そう、いのちは美しく引き継がれている。
苦しいことがあったことも知っている。
悲しみに打ちひしがれた日のことも聞いている。
だからこそみんなが集まったこの日に、あふれんばかりの幸せを感じるんだ。
その思いを、読経後の法話で精一杯話した。
最近自分が叶えた夢の話も交えて。
秋のお彼岸。
子供達や孫達が集った法事の席。
「副住さん、ほんといいことを聞きました。ありがとうございます。
よし、みんなで写真撮ろう。」
法話のあとのお墓参り。
さっそく実践してくれるあたりが、ここの家族らしいなと微笑ましい。
「よし、僕がシャッター押しますよ。」
墓石を中心に、みんなが並んだ幸せの時。
なんだか後ろにうっすらとおじいちゃん、ひいおじいちゃん、ひいおばあちゃんなどの影を感じるような気もする。
あ~素敵だな~。
食事をしながら、次の法事は8年後だという話になった。
おばあちゃんはもう自分の役目は終わったみたいな言い方をされたが、その時には83才。まだまだ若いじゃないか。
「8年後に、また写真撮りましょうよ」
僕は思った。
きっとその時はさらに上り坂。
娘さんたちの腕には、また新しい命が抱かれていることだろう。
そんな想像を膨らませながら過ごしたこの日は、僕自身幸せだった。
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山地 弘純
住職
真言宗のお寺『善住寺』の住職。瞑想誘導、心の相談、陰陽統合セッション、カウンセリングなど心の寺子屋としての活動に力を入れる。夏休みの寺子屋体験、春休みのお遍路体験など、子供たちの集まる企画も大人気。大人も子供も笑顔をいっぱいに表現できるフィールドとしてお寺を活用していくべく邁進中。ブログは自己の気づきを綴る中に、生き方のヒントとして発信している。
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