5月24日、25日
ずっと思い続けていた被災地へ向う。
善住寺の檀信徒のみなさんから託された義援金も携えて。
真言宗の但馬青年教師会のみなさんの企画に参加させていただいた。
一人で被災地へ駆けつけ、すでに仮設の人々との信頼関係を築きつつあった水生会長。
手配や運転などかいがいしくお世話してくださった行動力のある小川君。
そして同じ思いをもった密くんと松井くんと山本くんと6人で。
僕はほんとについていくだけですみ、なかなか自分では行きにくい僕の背中を押して下さったことや様々なご縁を与えて下さったことに感謝するばかり。
現地に着くと高野山から派遣された藤井さんが案内してくださる。
新幹線で古川まで行き、そこからレンタカーを借りた。
弘法寺でおつとめと物資を積み込み、一時間半ほどかけて南三陸町へ向う。
今でも変わらず残る震災による津波の深い傷跡。
復旧の見込みもなく、さらには徐々に撤退を始めているというボランティア。
これからどうなってしまうのだろうという不安は隠せない。
被災地の真言宗の最前線基地として活動をされている弘法寺のご住職の言葉が心に残っている。
「忘れられてなかった。覚えていてくれたんだ。
そう思って、みんなが喜んでくれると思います。
また来たで~が生きがいなんです。
だからね、うまい茶菓子持ってきたで~、これが最高なんですよ」
僕たちは小さな仮設住宅を回り、支援物資とお土産をお渡しする。
桜沢の仮設住宅と小森の仮設住宅。
そこで迎えて下さったみなさんに会ってその言葉の意味を実感した。
「ほんとにありがとうございます」
「おまもりもらえてうれしいね~」
「生きててよかったね~」
なにも励ますような気のきいた言葉も言えなかったけど、たくさん笑ったね。
おばちゃんたち、方言対決は僕たちの完敗です。
「おしょすい。」
「からしずね。」
「んだべっちゃ。」
僕たちの未熟な但馬弁では太刀打ちもできなかった。
最後に言ってくださった言葉、とても温かかった。
「また来てね」
「今度は奥さんと子供さん連れて遊びに来てね」
「はい、また来ます。」
約束しちゃった。
うん、きっと行く。
僕だけじゃない。
きっと誰もがそう思ったはずだ。
山地 弘純
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