「先生、いいもの見せてあげる。
わしの宝物。」
御詠歌の講習が終わった後で、一人残ったおばあちゃんが言った。
御詠歌の「万灯万華和讃」の譜面の上に書かれたかわいらしい文字。
そこにはこう書かれていた。
ぜったいにあきらめないこと!
ファイト!
「もう御詠歌なんか難しいものやめてしまおうかって、あの子の前でふっと洩らした時、あの子が書いてくれたんです。
かわいい孫が書いてくれた宝物。」
目に涙を潤ませながらおばあちゃんは笑った。
「だからわしは御詠歌を途中であきらめることはできんのです!」
あ~そうか、もう彼女が亡くなって一年が来るんだな。
早いもんだな。
彼女の言葉が何度も何度も胸をたたく。
あ~僕にも言われてるみたいだ。
ぜったいにあきらめないこと。
ぜったいにあきらめないこと。
彼女の笑った顔が思い浮かぶ。
「ぜったいにあきらめないこと。」
うん、わかったよ。
頑張るよ。
僕はあきらめない。
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山地 弘純
住職
真言宗のお寺『善住寺』の住職。瞑想誘導、心の相談、陰陽統合セッション、カウンセリングなど心の寺子屋としての活動に力を入れる。夏休みの寺子屋体験、春休みのお遍路体験など、子供たちの集まる企画も大人気。大人も子供も笑顔をいっぱいに表現できるフィールドとしてお寺を活用していくべく邁進中。ブログは自己の気づきを綴る中に、生き方のヒントとして発信している。
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