「嫌だ嫌だコケたくない!」
と言ってずっと手を離すことをこばんでいた長女が、ついに「コケる勇気」を発動したよ。
ほんとに極度の怖がりなんだよね。
手を離すには、多分人一倍の勇気が必要なんだと思う。
長女はひたすら補助の竹をたよりに、片手をそえて練習してた。
もういいだろってくらい、同じことを繰り返してた。
正直、「もう同じことやってても変わらないし、次に進めよ」って僕は思ってた。
それを横目に、次女はコケることも厭わずに、手を早々に離し、スイスイと乗る距離を伸ばしている。
長女はその場でコケるイメトレをたくさんしたりもしたんだよ。
それでも手を離すその一歩の足が出せなかったんだよね。
「手を離して、コケりゃいいんだよ」
「何度も何度もコケりゃいいんだよ」
「コケる勇気がなきゃ、乗れるようになんてならないよ」
なんだか長女に向けて言いながら、僕は自分に言っているみたいだったな。
「でもコケたくないの」
「コケるのが怖いんだもの」
そう訴える長女の姿は、僕の姿に重なる。
いや、僕に輪をかけたのが長女なんだよね。
僕の姿をより鮮明にして見せてくれてのかな。
「コケる勇気」
それが、誰もが「やりたいことをやってみる」ために、もれなくついてくるセットリストなのかもしれないね。
だけど、長女はやったよ。
ほんと漕ぐ前にコケちゃったんだけどね。
それでもちゃんと「えい!」って、手を離してコケることができたんだよね。
「コケれたね」
「うん」
コケても大丈夫だと体でわかったんだ。
そうするとね、そこから一気に変わった。
あれよあれよといううちに、手を離して2回転、3回転、5回転、8回転と一輪車をこぐ数を増やしていく。
そう、できるんだよ。
もう十分すぎるほど、下地をつくっていたんだもの。
ただコケるのが怖くて、乗り出せなかったんだよね。
コケないでいて乗れるようになりたいって可能性をずっと探ってたけど、ついにそれはあきらめたみたい。
ほんとに鈍臭くて、極度の怖がり屋さんだからこそ、愛おしいね。
一歩を踏み出した長女には、ほんとにほんとにおめでとうって思う。
僕は、長女から「コケる勇気」がなにかに挑戦するときの鍵になるってことを、教わった気がする。
やりたいことをやってみることだって、コケる勇気は必要だものね。
ありがと、子供達。
いつも瑞々しい気持ちを蘇らせてくれる。
満面の笑顔が眩しいよ。
長女にフォーカスしたけれど、なんでも先に魅せてくれる次女も含めて、最高だね。
一輪車、楽しいね☆☆
山地 弘純
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