朝から妻と大きな喧嘩をした。
結婚したてのころはこれがしょっちゅうで、僕は常にいらいらしていたように思う。
そこから抜け出せたのが「言い合うより聞き合うこと」っていう僕なりの夫婦円満メソッドで、最近はこれでうまくお互いが思ってることを縫い合わせていたはずだったんだけど、今回は久しぶりにそれをしなかった。
彼女が僕にややイライラとした含みのある言葉を発した時、僕はそのイライラをそのまま返した。
そこからいろんなもんが乗っかっていって、どんどん感情的になっていく。
やりあっているうちに僕はそのエネルギーの高まりに耐えきれなくなって、そこから修正しようとしたんだけど、
「聞けって」
「聞きたくない」
そんな繰り返しで、もうどうにもならなかった。
その日はお寺の大きな行事の日で、僕はこのあとすぐに読経が控えていたから、今は話し合いは無理だと判断し、彼女を残したままその場を立ち去った。
去り際、彼女の目が真っ赤に染まっているのが焼きついて、胸が少し痛かった。
表の部屋に出ると母さんが、「子供たちのことを見て欲しいんだけどどこにいるかな~」って妻のことを探していた。
「今僕と喧嘩中だから、2階にこもってる」って仕方なしに伝えると、
「そうか~。もっと暇な日に喧嘩してくれんかな~。」って苦々しい表情。
何言ってんだよ。暇な日には余裕があるから喧嘩になりにくいんだよ!
とか僕は心で毒づきながらも、納得してくれたことには助かったと思った。
その日はたくさんの人の出入りの中で過ごし、僕と妻も心に違和感を抱きながらも業務的な話をしていた。
そのまま何事もなかったように日常に戻って、それで多分二人の間に笑顔も戻るんだろうけど、そこに火種はくすぶっていて、いつかそれにまた火が付くんだるんだろうなって容易に想像できた。
ちゃんと話をして火種まできっちり消しときたいなって思うんだけど、この日は休みだから子供たちはずっと家にいるし、夜には甥っ子も来たりして、なかなか二人で話し直す機会もなかった。
子供たちが寝静まった後でと言いたい所だけど、妻はいつものように子供たちと添い寝をしながら寝てしまうだろう。そしていつものように僕が寝ついた後くらいに起きだして、お風呂に入ったりゴソゴソとするはずだ。
一週間以上、夜はそんなすれ違い生活になっていた。
だけど、なにがなんでも話したい。
僕は、感情の台風が通り過ぎるまではどうにもならないだろうけど、熱帯低気圧に変わったくらいの時が一番伝わるんだっていう確信がなんでかわからないけどあって、今夜話しておきたいって強く感じていた。
「12時に目覚ましを合わせておくから、話をしよう。僕、ちゃんと起きるから。」
それだけをしっかりと伝えて、スマホのタイマーを12時をはさむように5分刻みで五回セットして、僕は早めに布団にもぐりこんだ。
二度目のタイマーで目をさましたらしい僕は、朦朧としながらも深夜12時に起きあがった。
彼女は待っていてくれたみたいで、体育座りをしてテレビを見ていた。
今度はちゃんと「言い合うよりも聞き合うこと」に意識を置こうって思ってたし、彼女もそのつもりだったんだと思う。
先に彼女の気持ちを聞こうとしたんだけど、彼女はうまく整理できないみたいで、僕の方が先に話した。
今度は丁寧に、ほんとに伝えたいことはなんだったのかを自分自身で探りながら・・・。
そのうちに彼女もぽつりぽつりと話し始めて、自分が感じてることを話してくれるようになった。
目線がどこか逸れていて僕に合ってないって感じてたんだけど、いつしかしっかりと僕を見つめながら話してくれた。
どんな会話の後だったか、彼女が「あはは」って笑顔に緩んだ時、あ~分かり合えたなって安心した。
僕が伝えたことは、
親とあなたに価値観にずれができた時、親とすり合わせる気なんてなく、あなたとはすり合わせていきたいから、あなたには言うんだってこと。
だから親の味方だって思われることは悲しくて、むしろあなたの味方なんだということ。
僕はあなたを守りたいんだってこと。
彼女が僕に伝えたことは、
家族の中で自分にのみ変わることが求められているみたいでしんどいこと。
あなたのみは味方でいてほしいこと。
なにもできない自分がもどかしいこと。
お寺のことを覚えていかなくてはならないと言われているのに、大事なことを教えてもらえないことが悲しいこと。
静かに耳を傾ければ、お互いの声が染みわたって行く。責めないこと。正しさを主張しないこと。
朝のシーンが脳裏をよぎる。
「味方でいるべきだとか、べきを押し付けるからむかつくんだろ!」
「べきだなんて言ってない!」
あ~もう。言わなくても怒るってことは「べき」になってるんだって!
と、イライラしていた僕も、
「べきだって押し付けないべきだ」っていうことを、押し付けようとしてたんだね。
「ごめんね。味方だって思わせてあげられなくて。」
僕は妻に謝った。
そして続けた。
「同意じゃなくても、あなたを否定しているわけじゃないよ。
同意じゃなくても、ちゃんと味方だよ。」
伝わったかな。
伝わればいいな~。
話し終わった時、彼女はいつもの穏やかな表情だった。
「分離の為に喧嘩するんじゃなくて、融合のために喧嘩するんだ。」
そういえば、喧嘩中にこんなメッセージが湧きあがってきたんだった。
以前の僕は喧嘩するたびに彼女との距離が遠のいていた。
でも今回は違うよね。
喧嘩した分距離が近付いた。そんな気がする。
それは、二人の仲が深まるビジョン、今以上に繋がるイメージをもって喧嘩してるからなのかもしれないね。
大丈夫だって信じてた。
ごめん、ちょっとだけ嘘付いた。
ほんとはドキドキもあった。
もし元に戻らなかったらどうしようって。
だけど、うまく仲直りできてよかった。
大きな喧嘩の分だけ、気付きも大きかったし・・・。
これからもちゃんと磨り合せていこうね。
喧嘩するにしても、二人で一つの円を描くような、そんなビジョンをもって喧嘩しようね。
そんなことを感じた秋の夜長。
こんなビジョンをもって☆
<開催日時>11月26日 13時半〜
<開催場所>松江市市民活動センター
13時 開場受付
13時半 元あげまん道マスター今津かおりさん「あげまん道とは」
14時 スクール生の実践発表 ・質疑応答
15時 休憩
15時20分 ちゃみさん、弘純の対談
16時20分 ちゃみさんの旦那様 たつひこさんを交えて質疑応答
17時 閉会
http://www.kokuchpro.com/event/13094096c05fa447d98daf7168fd0416/
山地 弘純
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