兵庫県美方郡香美町香住区森にあります高野山真言宗の由緒あるお寺、大乗寺。
「応挙寺」という呼び名で親しまれ、但馬のお寺の中でも最も有名なお寺かもしれません。
江戸中期の画家、丸山応挙とその弟子たちによって描かれた絵で襖(ふすま)は彩られており、その165点が国の重要文化財に指定されているということです。
我が善住寺から約30分ほどのところにあります。
さてその大乗寺の御本尊「聖観世音菩薩」様の御開帳が33年ぶりに行われました。
僕もその大行事の下働きとして、立ちあわせていただきました。
ほんとうに幸せなことです。
前日27日の準備の際、午前中は夏日のような暑さで、Tシャツ一枚で作業していたですが、午後から天気は一転。 雷をともなったどしゃぶりとなりました。
28日の大般若法要の際も雨が降りました。
29日には朝お練り行列の時には雲ひとつない青空が広がりました。ありがたいことに晴れた中行列を行うことができました。
不思議なことにお練りが終わり、本堂で法要が始まると再び大粒の雨がこぼれました。
全ての行事が終わった後、天気が悪かったことが失敗だったかのように言う方がおられましたが、僕はそうは思いません。
観音さまと水は切り離せなくて、西国観音霊場も川の流れ、水の道なのだと大乗寺の住職さんは以前話しておられました。
大乗寺の秘仏本尊様、聖観世音菩薩さま。
観音様が雨雲を引き連れ降臨されたのだと僕は思いました。
観音さまの大きな慈悲のお姿。
慈愛とは見返りを求めない大きな愛。
悲愛とは悲しみをすべて受け止めてやりたいという大きな愛。
先の東日本大震災。
人々は生きることの過酷さを思い知らされています。
そんな日本中が苦しみに満ちた中での、今回の大乗寺御開帳。
降り注ぐ雨粒。
観音様が大慈悲の涙を流されています。
大きな慈悲の心で、私たちの悲しみ全てを受け止めて下さろうとしています。
33年ぶりの御開帳により姿を現わされた御本尊様の大いなる慈悲の姿を拝ませていただき、ただただ、ありがたいと思いました。
最近ずっしりとたまった心の重さが、軽くなっていくような気がしました。
どうか観音様、その大きな優しさで日本中をお包み下さい。
山地 弘純
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