今日は香住にお葬式の脇導師として来ました。
亡くなった方は50代の方でした。
お葬式がお昼過ぎに終わり、僕はお腹が減ったので、香住駅前の入船食堂に入りました。
なぜかいつも行く幸楽ではなく、入船にふらっと引き寄せられるように入ったのです。
そこで注文したのは、相変わらず大好きなラーメンです。
注文を待っていると、他に一人だけいたお客さんが帰られようとしています。
僕は見るともなく視線を送ってスマホをいじっていたのですが、
「あれ?もしかして善住寺さん?」と声をかけられました。
えっ?っと思って頭を上げると、なんと湯村に住んでおられる、うちの檀家さんです。
「あれ~奇遇ですね~」
「ほんとにこんなところでお会いするなんて」
「今日は?」
「はい、余部の方のお葬式の脇導師できました」
みたいなやり取りをして別れました。
僕はラーメン大盛りを食べ終わった頃、さっきのやり取りを聞いていた店主が声をかけてきます。
「今日はお葬式に湯村の方からわざわざ来られたとか。それでうちに寄っていただいた。なんだか不思議なご縁ですね。
今日亡くなった子はよくうちに食べに来てね~。いつもラーメンと焼き飯のセットをネギ抜きで頼んでた。ほんとにあの子はいつまで経ってもネギが食べれなくてね~。今日はよーけネギ入れたるけーなって言うと、勘弁してくださ~いって。
温厚ないい子だったな~。まだ若いのにな~・・・。」
いい子。 店主はまだ20代30代の頃の故人を見ているのかもしれません。
「へ~、そうだったんですか~。なんだかその光景、浮かんできます。微笑ましいな~。」
「お寺さん、初めて来られたんですよね。あの子と同じものを頼んでるから、なんだか不思議な気持ちがします。」
「いえ、僕は以前に香住の大乗寺さんに連れてきてもらっていまして、初めてじゃないんですよ」
「あー、それは失礼しました。女性は忘れないんですけどね~」
「あはは。それは僕もそうです」
そんな軽いやり取りをしながらも、故人を想い、なんとも言えないジーンとした気持ちになりました。
故人からの愛のメッセージだよな~って。
いろんな想いが繋がって、今僕はここにいるんだよな~って。
店主曰く、先程の檀家さんとのやり取りがなければ声は掛けなかったとのこと。
たまたま呼んでいただいた葬儀の帰りに、ふと立ち寄ったお店で、奇遇にも出会った檀家さんとのやり取りから、たまたま同じメニューを頼んでいたことで不思議なご縁を感じた店主に声をかけられ、今日の葬儀の故人の思い出話を聞くことができた。。。
改めてご縁ってすごいものだな~と思いました。
その後も店主とたくさんお話をしました。
「かにうどんはあるのに、かにラーメンはなぜないのです」
「わかりました。挑戦してみます。かにラーメンができたらブログに書いて下さい」
「はい。では完成したら熊谷のお寺に連絡を下さい。」
そんなこんなで和やかな時間を過ごし、店主に見送られながらお店の外へ出ると、なんと大乗寺の奥さんにばったり。
「そうそう、この奥さんのご主人に連れてきてもらったんのがそもそも始まりです 。」
店主と僕は顔を見合わせます。
「ほんとに奇遇だ~・・・」
いや、そこが始まりではないのでしょう。
始まりもなく終わりもない大日如来の世界。
この世界の見えない繋がりを愛おしく感じれるようになってから、不思議なことが目に見えて現れるようになってきています。
ほんとに愛おしい。
初めて葬儀会館で会い、一見さんのように見えた僕と故人の繋がりを、愛の光で照らしだして下さった入船店主を始めとする皆さんに感謝。
故人が帰入する大日如来の密厳浄土を、思い描いています。
住所 美方郡香美町香住区七日市14
TEL 0796-36-1468
香住駅から徒歩1分
山地 弘純
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