え?お墓のてっぺんからお水をかけてもいいんですか?
あるお宅のお墓参りに行った時、そう驚かれた。
どうもよく頭の上からかけてはダメだと忠告してくださる方がいるようで、その理由とすると、人の頭の上から水をかけてはいけないということらしい。
しかし石の部分は供養の塔であるので、僕はてっぺんからお水を掛けて下さいと伝えた。
墓とは土の下の部分である。
土の下にかくす(莫)と書いて墓なので、実際は埋めた土の中のことをお墓というのだそうだ。
上に石を建てるのは、仏様の塔を建てているのだ。
ちなみに布でかくすと書いて「幕」という。
石のてっぺんから、私たちの愛情を注ぐかのように水を供養する。
観ぜよ水は本性清浄なり
諸法もまた本性清浄なり
私たちはいつもこれを胸に観じながら水をそそぐ。
そう水は私たちの美しい心を反映しているのだ。
水のような心でありたい。
「上善水の如し」「水は方円の器にしたがう」
そんな言葉を聞いたことがあるだろう。
水は器に応じて形を変えるように、私たちも相手によって柔軟に物事を対応できるだとうか。
水が下へ下へと流れるように、私たちも下へ下へ思いを鎮めることのできる謙虚な人間であれるだろうか。
大きなエネルギーを持つ水のように、私たちは静かな心の中にも、無気力でない強いパワーを持てるだろうか。
柔軟で謙虚で大きなエネルギー。
水から学びなさいと先人たちは教えてくださっている。
なにかあると私たちの心ははすぐに立ち止まってしまう。
だが、滞った水はにごってしまう。
清らかに流れ続ける水のように、私たちの人生も流れていきたいけたら、どんなにすばらしいだろうか。
私たちの最上の生き方を示した水。
そんなお水を供養することで、私たちは美しく生きれるように努力していますよ、そうご先祖さまや仏様に報告する。
命日やお盆やお彼岸のお参り。
どうかお墓の石のてっぺんから、お水を注いでください。
私たちも、ご先祖様も、全身を清めましょう。
山地 弘純
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