位牌堂にお花をお供えした。
とはいえ、花瓶にお花を挿れるのは母さんで、僕はいつも運ぶだけ。
とりあえずお花も修行時代に学んだが、僕には花心もなければセンスもない有り様。
でも、枯れかけたお花から、生き生きとしたお花に代えた後には、なんだか気持ちがいい。
今日も仏さまのお花は、美しくお堂を彩っている。
しかしうっかりと衣でこすって、お花を一輪落としてしまった。
菊の大輪の花びら。
捨てるのももったいないので、家内の髪に乗せてみた。
「いい感じやな~」と僕は思ったが、彼女は「え~、菊の花ってちょっとな~」と、やや不満な様子。
母さんもそれを見ていて、
「菊って死人に供えるイメージで、なんだかおかしいよ」と同意している。
僕はお坊さんのくせに、そんなことも思いもしなかったので、なんだか釈然としなくて、菊について調べてみた。
菊の花言葉は一般的に「高貴」「高尚」。
その中で色によって、さらに深く分けられるらしい。
白は「真実」や「誠実」
赤は「真の愛」
黄は「おぼろげな思い出」
濃色は「わたしを信じて」
などなど。
さらにこのようなことが書かれている。
菊が喪の花という習慣は西洋のものであり、日本では菊は天皇家の紋であり、国花でもあるのでめでたい時に使われてきた。
「菊を飾ると福が来る」
「菊を活けるとよい子が育つ」
などの言い伝えも残っている。
冠婚葬祭の時に使うのは位の高い花であるからで、この国でもっとも高貴な花。それが菊なのである。
なるほどと思った。
僕はお葬式とか喪中とかが縁起が悪いとかいう考えかたは嫌いだ。
なぜなら死は清らかなものであって、前向きなものだと思うからだ。
日本的な解釈で、もっとも高貴なお花を飾って、新たな旅立ちを希望に満ちたものにしたいものだと思った。
それにしてもホッとした。
あまり深く考えずに髪の上に乗せた菊の花びらに、ポジティブなイメージがあって。
白い菊の花びら。
それは誠実なんだって。
イメージ通りやん(笑)
山地 弘純
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