小学生時代、この頃になると授業である映画観賞が嫌だった。
「はだしのゲン」
この映画のあるシーンになると、思わず目をそむけてしまったものだ。
とても恐ろしかった。
夜の夢に出てきそうで、その日はなかなか寝付けなかった。
その記憶は、今でも断片的に浮かび上がる。
立ち上るキノコ雲。
家の下敷きになった家族。
火傷で顔のつぶれた人。
足がなく、うめき声をあげる人。
もしかしたら他の映画のシーンが混ざり合っているのかのしれない。
それでも僕の心には、小さな頃の映像が深く刻み込まれているのだと思う。
広島の原爆ドーム。
長崎の原爆資料館。
沖縄のひめゆりの塔。
東京の靖国神社。
戦争の記憶を伝える施設はいくつかある。
その中で僕は広島にだけ行ったことがない。
でもいつか行かなくてはならないと思っている。
もう二度と戦争をしない。
そんな願いを、僕たちの子供たちへも伝えていくために。
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山地 弘純
住職
真言宗のお寺『善住寺』の住職。瞑想誘導、心の相談、陰陽統合セッション、カウンセリングなど心の寺子屋としての活動に力を入れる。夏休みの寺子屋体験、春休みのお遍路体験など、子供たちの集まる企画も大人気。大人も子供も笑顔をいっぱいに表現できるフィールドとしてお寺を活用していくべく邁進中。ブログは自己の気づきを綴る中に、生き方のヒントとして発信している。
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