1月、大雪で延期。
2月、再び大雪で延期。
そして3月7日、待ちに待ったひより塾第八回が開催されました。
「今更ですが、みなさま、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします」の図。
まだまだ寒さの残る3月の初め。
「わたくし、こう見えて筋肉がついていますので寒さに強いんです」という薄着の日和先生。
久しぶりの日和スマイルを浴びています。
そして、1月31日に誕生日を迎えられた日和先生のお誕生日のお祝いを、ようやくすることができました。
プレゼントと、
色紙と、
プチケーキ。
「日」「和」「先」「生」「お」「誕」「生」「日」「お」「め」「で」「と」「う」「♡」
なにかな、なにかな~?
包装のリボンをとって~、
とりあえず着けちゃおっと。 はい、お約束☆
はい、早くしましょうね~。
いよいよ、じゃじゃ~ん。
ん?これはもしかしてあれですか?
うわ~、寝袋~!
嬉しいで~す。
ってことで、先生の過去のお話から寝袋があればということを聞いていたので、みんなから先生へのプレゼントです。
この度わざわざ千賀子さんが買ってきてくださった鹿まんじゅうをお茶菓子にして、
おめでとうございま~す。
みんなが一カ月半遅れで先生のお誕生日を祝福いたしました。
みなさん、ありがとうございます。 わたくし、幸せです。
さて、講義が始まりました。
まずは先生の絵本の紹介です。
「あいさつ」と「お出かけの時の心得」。
この本は状況説明のみが書いてあって台詞が空白なんですね。
子供たちが自分で考えて書いて、オリジナルの絵本になるようになっています。
お友達との考えの違いにわかり、自分だけの価値観にならないようにと工夫されています。
前回休んだ主催者の石谷。今回は着物で挽回をはかっております。
さて、今回のテーマは「五節句」。
もともとは「五節供」と言われていたのが「供」が「句」に変わりました。
節目の供御、つまり四季の節の日に行う神様へのお供えもの」である「節供」から、そう呼ばれていました。
節の日にお供えするお料理を「お節(おせち)料理といい、本来はお正月の節供だけでなく、五節供全てでお節料理を作ってお供えしていたんですね。
昔はこの五節供の時だけが農業をお休み出来る日でした。年に五回しかお休みがなかったんです。
五つの節供、わかりますか?
一月七日は「人日(じんじつ)の節供」
三月三日は「上巳(じょうし)の節供」
五月五日は「端午(たんご)の節供」
七月七日は「七夕(しちせき)の節供」
九月九日は「重陽(ちょうよう)の節供」
この五つで、五節供です。
人日の節供はもともと一月一日でしたが、後に一月七日に変わったそうです。
奇数とは「陽」の数字。
この陽が重なる日がそれぞれ節供で、特にその数字の大きい九月九日を重陽の節供と呼んでいます。
なるほど~
そうだったのか~
みなさん真剣に先生のお言葉に耳を傾けています。
僕もいるよ~
「人日の節供」
古来、新年より占いをたてていくのですが、一日には酉(鶏)、二日には戌(犬)、三日には亥(猪)、四日には未(羊)、五日には丑(牛)、六日には午(馬)と、まずは家畜を占い、そして七日目にようやく人を占うということから「人日の節供」と呼ばれるようになったそうです。
別名「七草の節供」ともいい、「春の七草」を入れた「七草粥」をいただきます。
採ってきたり買ってきたりした七草をどうするのかというと、まずは神棚にあげてほしいのです。
大自然のエネルギーを、神様のエネルギーとくっつけるのです。それは食べ物への感謝です。
幸せな子ども。いつでも幸せになれる子どもを育てるためどうすればいいか。それは、いつも「あること」を幸せに感じ、今この瞬間に感謝することです。
「成る」ばかりではなく、「ある」に目を向けるのです。
「成る幸せ」は今の幸せが見えなくなり、「有る幸せ」は成長をさまたげるというデメリットもあります。
そのバランスが大切なのだと思います。
一歩下がって全体を見てみましょう。
自給自足のものを神棚にあげて、神様からのいただきものだとそのおさがりをいただくことで、自分のものというおごりの心が消え、感謝の心が湧いてくるのです。
がんが消えたという人のなぜ消えたのかという原因を追求した時、その100%の人が究極に感謝の気持ちが湧いた人であったということも言われています。
感謝の心ってすごいんです。
七草粥は無病息災を祈って食べられます。
また、すずしろなどは消化酵素があり、とても胃に優しく、お正月のご馳走で弱った胃を休めてもくれます。
なる
ほど。そういえばウチの子たちはNHKの子ども番組を見て、短歌で七草を暗記していました。
「せりなずな ごぎょうはこべら ほとけのざ
すずなすずしろ これぞななくさ」
五七五七七のリズム。
僕は子どもたちに、得意顔で教えられましたね・・・。
1、芹(せり)・・・川淵、湿地に生える
2、薺(なずな)・・・ペンペン草。麦栽培とともに伝来したといわれる
3、御形(ごぎょう)・・・母子草(ははこぐさ)
4、繁縷(はこべら)・・・小さい白い花
5、仏の座(ほとけのざ)・・・田平子(たびらこ)
6、菘(すずな)・・・蕪(かぶ)
7、蘿蔔(すずしろ)・・・大根
「上巳の節供」
これは別名「桃の節供」といいます。
「も」という言葉は「百」や「茂」といわれるとても「生命力あふれる音」です。
例えば「もちつき」は、「も」生命力あふれる、「ち」みたまを、「つき」くっつけるという意味がありますね。
そのような「も」が二つもくっついている、とても生命力あふれる食べ物なのです。
古事記にもイザナギがイザナミの追わせた悪霊に対して「桃」を投げつけてそれを追い払ったという記述があります。「桃」には悪霊退散、鬼退治という人間を守るお役目ができあがったのです。
さて、元々は三月上旬の巳の日だったものが、三月三日になりました。なぜ巳(蛇)なのかと申しますと、脱皮を繰り返す蛇は「禊(みそぎ)」の象徴だからなのです。
穢れは人に移ります。人に移してはいけないのです。
蛇の蛇行した姿は川の流れと似ています。
穢れは川に流します。
古来は一度使ったお箸も、人に穢れを移さないように川に流していました。
川はみそぎ場なのです。
また、この節供では、おひな様を飾ります。
宮中では穢れをとった人型の紙を川に流すという行事が行われていたのが始まりです。
おひな様は年中飾っていたんですね。特に女の子が穢れやすいのです。それは良い悪いではなく日常生活を普通に送れなくなるということですね。
穢れはおひな様が吸い取って流してくれます。
そしてひな祭りにはお吸い物にしたり欠かせない「はまぐり」。
これは貝合わせという神経衰弱のような遊びがありまして、一つから分かれた貝殻の片われを探すというものです。もともとくっついていた貝殻としかぴったりと合わさらないんですね。
このように、「ぴったりとした人を見つけてね」「一度くっついたら離れちゃダメよ」という願いを込めていると言われています。
「端午の節供」
別名「菖蒲の節供」です。
五月上旬の午(うま)の日だったものが五月五日に変わっています。
元々はこれも女の子の日だったんですね。
菖蒲、よもぎなど、匂いのきつい部屋に入って女の子が穢れを払っていました。
それが江戸時代になると「菖蒲」という音から「尚武」、つまり武を重んじることに変わり、男の子の日になりました。
鯉のぼりの「鯉」は立身出世の象徴であり、滝を登り切った鯉は龍に変わるという「登竜門」の故事になぞらえて、素晴らしい出世を願うものです。
五色の吹き流しの色は陰陽五行の色で、青は木、赤は日、黄は土、白は金、黒は水を表しています。
こうして健やかなる成長を祈っているのです。
この時はいただく「かしわもち」は、若芽育って古い葉落ちることから、子孫が絶えないという、縁起のいい食べ物です。
「ちまき」も食べます。笹の殺菌効果があり、腐りにくいです。
性器に喩えられます。
このように上巳の節供でも、端午の節供でも性器に見立てたものが出てまいります。これで性教育の場としていたのですね。
「七夕の節供」
この節供の別名は「笹の節供」と言われます。
七夕は彦星様と織姫様のお話を皆さんご存知かと思います。
織姫様とは棚機津女(たなばたつめ)といい、機織(はたおり)の神様です。
それで笹の葉にお願い事を書いた五色の短冊を飾って、手芸の上達、お稽古事の上達を祈るのです。
五色の短冊はやはり陰陽五行の色です。
七夕には、干した鮎のつがい(雄雌)を腹合わせにして白い紙で包み、それを「床飾り」にしま
す。
魚にも陰と陽があるのです。
淡水魚は陰、海水魚は陽の魚です。
陰の魚を二つで「-(マイナス)」と「-(マイナス)が合わさり転じて「+(プラス)」になるのです。
鮎の寿命は一年で「年魚」と言われて、縁起がよい魚です。それを神様に捧げてよい形、つまり乾燥してからお供えいたします。
「重陽の節供」
別名「菊の節供」といいます。
高倉流衣紋道では菊の上に綿を被せる着せ綿という、若返りの儀式があります。
綿に夜露を含ませ、菊の匂いを付けて、顔を洗うということです。
「白菊には黄色の綿」、「黄菊には紅の綿」、「赤菊には白の綿」と綿の色が区別され、白菊が最も高貴とされます。
「菊」は「聞く」と同じ音ですので、「菊の節供には人の話をきくことを大切にしよう」、そう思っています。
「それぞれの床飾り」
先生の資料写真を見せていただきました。
アワビは、全ての節供でお供えされます。
アワビは熨斗鮑にも使われるように神様へのお供えものとしては代表的なものです。
サザエは深い静かなところで育つ穢れなき清らかな生き物です。女性たるものそういう所で育つことが大切であり、女性の節供にお供えするものです。
供える三方の向きは、「供え三方(三宝)」と「飾り三方(三宝)」があります。
三方向に穴が空いているので三方といいます。最近では三つの宝という漢字が書かれることもあります。
三方の上の片木盆を継ぎ目がない方を神仏に向け、台は穴のない方を神仏に向けます。神様からみて美しい。これが神仏に正面を向けた飾り方である供え三方です。
その逆に人から見て美しい供え方を飾り三方といいます。
普通は供え三方にします。片木盆の継ぎ目が我々の方を向いているかどうかで確認いたします。
白木の三方は格の高い色です。
清浄観の象徴であり、元々は使い捨てで、土に返していたのですね。
このように床飾りには様々な教えが込められています。
床の間も教育の場なのです。
型というものは大切なものを思い出させてくれるものであり、大切にしていかなければなりません。
みなさん、一生懸命ノートを取っておられました。
いつもにも増して、濃密な講義でしたね。
そして放課後。
実は、お渡しした色紙はいったん回収させていただいておりました。
まだ書けていない人達が書いて、
再び授与式です。
これにて、本日第八回のひより塾、終了です。
森日和 19〇〇年1月31日生まれ
これからもその飛び切りの笑顔で和の心を伝えていかれるのでしょう。
山地 弘純
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