「2月3日」
長い冬が明け、春が立とうとしている。
明日から季節の上では「春」。
まだまだ雪が降ろうが、凍えるほどの寒さであろうが、かすかな春の息吹が聞こえる。
雌伏の時を乗り越え、明るく開かれていく希望に溢れた未来。
その節目を分かつ「節分の日」。
「いわしの頭も信心から」
そんな言葉の通り、家の周り中の入り口をいわしの頭とひいらぎの葉で守った。
悪いものが入ってきませんように。。。
鬼に例えられる「自分の心の悪」や「他から入り込む災い」を祓い、明日からの一年の幸せを祈る。
体のバイオリズムは今日リセットされ、明日から新たな一年を刻むのだろう。
本堂では「星祭り」の御祈祷が行われた。
曼荼羅に向かい、「北斗七星」の真言を唱える。
僕たちは、北斗七星の下に生まれてきた。
生まれた瞬間に、北斗七星の七つの星の内の一つが、その人の生まれ星として定められる。
十二支で選ばれるこの七星たちは、僕たちの宿命を司る。
そんな七星を、『本命星』というそうだ。
子年に生まれた人は貪狼星(トンロウショウ)
丑、亥年に生まれた人は巨門星(コモンショウ)
寅、戌年に生まれた人は禄存星(ロクゾンショウ)
卯、酉年に生まれた人は文曲星(モンコクショウ)
辰、申年に生まれた人は廉貞星(レンジョウショウ)
巳、未年に生まれた人は武曲星(ムコクショウ)
午年に生まれた人は破軍星(ハグンショウ)
北斗の七つの星を見上げて見る。
どれが僕の本命を司る星なんだろう。
あ、あれだ!
吸い込まれそうなほどの夜空に輝く星の一つに、僕たちは守られている。
そんなロマンティックともいえる思想が、古より伝わって来た。
『宿曜経』。
それは弘法大師空海が唐に渡り持ち帰った多くの経典の中に、たった一つだけ異彩を放っていた不思議な経典。
一生の宿命を司る本命星(ホンミョウジョウ)。
一生の運命を司る元辰星(ガンジンジョウ)。
一年ごとに交替してその人に付き、吉凶禍福をもたらす当年星(トウネンショウ)。
そんな星たちをお祭りするのがこの節分の2月3日で、「星祭り」というそうだ。
本命星は教えてくれる。 宿命は身に背負い生きていくもの。
元辰星は導いてくれる。 運命は切り開いていくもの。
当年星は語りかけてくれる。 巡り合わせのいい年もあれば、悪い年もある。
星を祭り、星に手を合わせ、星に祈る。
「いい星の巡りでありますように」
星祭りに申込みをいただいた方一人一人の名前を読み上げ、星を供養する。
中には今年の当年星が真っ黒の方もある。
半分白で半分黒の方もある。
今年は悪星。
来年は善星。
羅睺星、土曜星、水曜星、金曜星、日曜星、火曜星、計都星、月曜星、木曜星。
繰り返す9つの当年星。
それは人間の生命のリズムなのかもしれない。
「願わくは星に降りかかる災いを除け、ますますの輝きを・・・」
様々に絡み合う自分の星。
宿命に抱かれ、運命を切り開く。
それは本当に素敵な考え方だと思う。
本命(宿命)に縛られているとか、天によって定められて繋がっているとか聞くと、自分がひどく束縛されたもののように思う人もいるだろう。
しかし、本当に宇宙や天としっかり繋がっていることを感じれた時、自分がすごく自由で、雄大で、どこまでもつながっていることを感じれるのだろう。
自分の存在は無限だと。。。
山地 弘純
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