「先日、多子すこやかクラブにて、心温まるお話を聞かせていただきありがとうございました。
心の相談員の勉強もされているとのこと。
私も日ごろ人様の愚痴や鬱憤などを聞かせていただき、おこがましくも自称傾聴ボランティアなどといいながら暮らさせて頂いています。
私などはタダ聞いてあげるのみですが。
(中略)
またお話を聞かせていただきたいと思います。
一言お礼がいいたくて失礼いたしました。
今、副住職様の「こそのお話」「ご縁のこと」「巡り合い」「人を大切に」という言葉を特に生かして使うことを心がけ心の貯金を殖やしながら暮らしていきたいと思います。」
多子のある女性より
とても嬉しいお手紙をいただいた。
僕はとても嬉しかったし、そしてこの手紙がとても大きな僕への指針を与えてくれるものになったような気がする。
「生かせいのち」
これが僕の講演の演題であり、柱となる言葉である。
僕は、お年寄りの方へ生かされている命を生かさなければならないと話しておきながら、明確にどうする事が命を生かすことなのかを示せずにいた。
「みなさんがお子さん、お孫さんに伝えていくことが使命なのですよ。」
ま~せいぜいこの程度のことしか言えなかった。
しかしあるじゃないか。
みなさんの命を生かすことができることが。
「自称傾聴ボランティア。」
これって素晴らしいことだと思う。
「私など、ただ聞くだけですが。」
これってさらに素晴らしいことだと思う。
このストレス社会の中で、鬱や様々な心の病に悩まされている人はものすごく多い。
日本人は全員軽鬱であるなどという説もある。
実際僕だって心が病み、不眠に悩まされた経験がある。
そしてさらに悲しいことに、新温泉町は兵庫県の自殺率が1位なのだ。
だれかに話を聞いてもらえる場があれば。
うまく苦しみをはきだすことができる場があれば。
僕はこれからの講演ではもう少し話を前に進めることができるような気がする。
生かせいのち。
みなさんにできることはまだまだある。
自称傾聴ボランティア、素敵なことじゃないか。
もっとたくさんそんな人が増えたらいいのに。
意見なんて必要ないし、言わない方がいいくらいだと思う。
しかし「うんうん」とただ親身に聞くだけの、自称傾聴ボランティアは、提唱していっていいんじゃないかって思う。
みんながやろう、自称傾聴ボランティア!
みんなで話を聞き合おう!
これ「自称」ってとこがとてつもなく大事ですので、そこははずさないように(笑)
傾聴はとても難しいものだと勉強するほど感じている。
みんな聞くよりも話したがるものなのだ。
「なんで口が一つで耳が二つ付いてるか知ってる?
聞くことが大事だからなんだよ。」
昔聞いたこの言葉をしみじみと実感している今日この頃。
お手紙ほんとうにどうもありがとうございました。
いただいたお手紙から学んだこと、僕も生かしていきたいと思います。
山地 弘純
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