僕はイベント屋さんに積めるだけテントを積んでくるべく準備だけはしておいてくれと告げた。それ以外は、僕も考えるのをやめた。
両親の強い「信じる」という言葉に、共感したからかもしれない。
晴れると信じよう。毎朝のおつとめの時、必死に祈ろう。
その答えが今日の青空だった。それは偶然なのかもしれない。でもその偶然をたぐりよせる力は、どこかに存在していた。
とにかく言えることは、こんな天気は一年に何度もないということ。
大日如来の姿は大自然そのもの。
大日と称されるそのお力は、絶大な日の光。
太陽は夜や日陰にまでは光が届かないが、大日如来の光はどこまででも届く。
夜の闇の中で震えていようが、日の当らない隅っこで泣いていようが、だれでも分け隔てなく照らしてくださる。
一人ぼっちじゃないよ。ちゃんと見てるから。だから頭をあげてごらん。そうおっしゃってくださる。
そんな御本尊大日如来様の御開帳を祝い、空もそれにふさわしい最高の日になった。
さらに、予想を遥かに越える参拝者の方々。
押し寄せる人の熱気が、寒さを吹き飛ばした。
さ~行こう。御本尊様の下へ。
朝8時半、寺院の集会所である檀家さんのお宅から、お練り行列はスタートした。
御詠歌隊を先頭に、お稚児さん、献灯献花隊、御寺院様と続く。御詠歌隊85名。お稚児さん135名。その親約300名。献灯献花隊10名。
なんと500名を越えるほどの大行列が、善住寺へ向かって歩みを進めていく。
これほどのお練りができた興奮といったら、なんと言葉に表せばいいのだろう。凄すぎる。
列は果てしなくどこまでも続いているように思えた。
魔を祓い、苦しみを消し去る釣鐘の音。
先導する御詠歌隊が唱える「相互供養和讃」の澄み切った響き。
道を清める純粋なお稚児さんの清らかさ。
人々と仏様を結びつける御寺院様の神々しい姿。お練り行列は、みんなの願いを乗せて光り輝いていた。
門をくぐると、美しい声のケーブルテレビアナウンサーの智恵美ちゃんが稚児や献灯献花の紹介を始める。
この子が檀家でご奉仕下さるありがたさを感じた。
大勢のお稚児さんたちが御本尊様前へ進んでいく。
本堂前で洒水を受け、阿弥陀堂で記念撮影を行う。
洒水は、清めの水をおでこにいただく。いい子になりますように。健やかに育ちますように。そんな願いを込めて稚児に注がれる。
友達のお稚児さんもたくさん参加してくれて、通り過ぎるたびにこっそり手を振った。
ほんとはお接待したいのに、今日はそれどころではないから。
いい思い出に残ってくれればいいけどな、なによりもそう思った。
きっと今後いろんな試練にぶちあたるだろう。
そんな時、正しい方向へ導いてくださる仏様の光の糸を、ちゃんと見つけてくれればいい。
今日結んだご縁の糸をたどって・・・。
山地 弘純
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